この事件、弁護人の話のすすめ方が、素人目に見てもうまくないのだった。
情報を整理できていないため、話をドンドンとっちらかしていく。
「話は変わりますが」
「話を戻しますが」
「また話は変わりますが」
「また話を前の前の前まで戻しますが」
「直接事件とは関係のない話ですが」
変幻自在・縦横無尽。
話を、いったりきたり・すすめたり戻したり。
八面六臂のとっちらかしぶりだ。
検察官は苦笑。
傍聴席は呆然。
被告人も混乱しているようだ。
しまいには裁判長からイエローカード。
「弁護人はもう少し整理して話をしてください」
準備不足で会議に出たとき、時々こんなカンジになることがある。
ひとのフリ見てわがフリなおそう。
それに、言っちゃ悪いがこの弁護人、
見た目からしてなんだかダメっぽい。
けっこう若い。
20代かもなあ。
でも風貌は、小顔の金八先生。
なんていう髪型なんだろう。
ワンレン?ウルフ?
散髪屋さんでどんなふうに注文するのだろうか?
おしゃれじゃないほうの無精ヒゲ。
シャツのボタンは外れてるし、ネクタイもゆるゆる。
うーん。。。
そこはかとなくダメっぽいオーラを全身から醸し出している。
見た目って、実は結構大事なんだなあ・・・。
ひとのフリ見てわがフリなおそう。
しかし、ほんとうに大丈夫なの?この人。
ひとごとながら心配になった。
そしてこの後、100%心配したとおりの展開になった。
BOW★CHINGがはじまった!
検察官はアンタッチャブルの柴田に似ている。(細い方です)
カツゼツがよく、説明も分かりやすい。
被告人は大阪人。
ますだおかだの面白いほうに似ている。
今日の法廷はお笑いブームだな。
ムリヤリ見ると裁判官は西川のりおに似てなくもない。似てもいないが。
どうでもいいか、そんなことは。
容疑は覚醒剤取締法違反。
大阪の覚醒剤ルートから被告人本人が購入した覚醒剤を、財布に入れて持っていたため捜査中の警察官に捕まった。
被告人は、覚醒剤を使用したことがなく、持っていただけだと主張。
血液検査もシロ。
・・・言うまでもないけど、覚醒剤は持っているだけで罪になります。
持ってちゃダメだよ。
裁判長「被告人、読み上げられた内容に間違いはありませんか?」
すると、被告人が言った。
「内容に間違いはあります」
え?
裁判長「どの点についてですか?」
被告人「どの点っていうか、最初ッから全然違うんですよ。
まるっきり違います」
どういうことだ?
全然違う?
裁判長が露骨に嫌そうな顔をした。
前回のクールガイとは全然違って、いかにもお役所の人、って印象。
思いっきり事務的なカンジだ。
裁判長は弁護人=ダメ男(お)くんに冷たい視線を浴びせて、「ちょっとキミこれどうなってるのよ」的なことを言った。
なんか段取りが悪かったのか?
ダメ男くんは、慌てふためいて資料をバラバラとめくりだした。
「被告人の話によるとですね、警察調書に録取された内容は事実ではなくてですね…」。
裁判官「でも刑法335条2項(*注)の主張はしていない、ってことでいいんでしょ?」
ダメ男「は?…いえ、あの、335条はですね、今回の場合は」
裁判官「主張するの?」
ダメ男「あ、いえ、あの、335条?ですか?…すみません。それはどういうことでしょう?準備していなかったので・・・分かりません」
…分かりませんって言っちゃったよ!
刑法何条とか言われても傍聴しているこっちはチンプンカンプンだ。
だけどキミがチンプンカンプンではマズイでしょ。
しかしこういうの、映画やドラマじゃ、まず見られないシーンだよな。
被告人、超不安なんだろうなあ、いま…。
検察官「主張はしていない、ってことでいいんじゃないでしょうか(半笑い)」
裁判官「そうね。弁護人、次回までに確認しておいてください(苦笑い)」
ダメ男「はあ…すん
ません」
…語尾が聞こえねー!
小バカにされたうえ、かるーくイジメられた。
ダメ男、いきなり凹まされての逆風スタート。
ガンバレ、ダメ男。凹んでる場合じゃないはずだ。
被告人の運命はキミにかかっているんだ。
次回へ続く!
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