第5の傍聴 その2 「禁断の楽園、ギャングスタ・パラダイス」2007年05月18日
今回は重罪だからなのか、裁判官も3人の合議制。
確か真ん中が裁判長だよな。
谷村しんじのようなルックスだ。いや、正確に言うと、谷村しんじのモノマネをしている人、みたいなルックスだ。
・・・ミョーに顔が茶黒いけど、どっか悪いのかな。
右はMRオクレ。そりゃもう地味な顔だ。
左はチューブ的なサーファー風。こんな人もいるんだ・・・ちょっと驚き。
そして今回は検察官も結構なコワモテだ。
ガンダムのモビルスーツ・グフに似ている。輪郭とか。口元の膨らみ方とか。
宇宙世紀0079。
検察庁は、対・絵人間兵器として新型モビルスーツ・グフを開発・投入した。
もとい。
罪状を読み上げるグフ。意外に甲高いエンジェル・ヴォイスだ(可愛いッ)。
冒頭陳述が始まった。
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200X年。
地球は核の炎に包まれた・・・暴力が支配する崩壊した世界で、人々は救世主が現われるのを待ち望んでいた。
そんななか、おもに西新宿周辺で権勢を誇る拳王様のラブパートナーの女性に、ついうっかり手を出してしまったホストマンがいた。
お怒りになった拳王様は、ホストマンのマンションにもちろん無許可で単身(!すげー)乗り込んで殴る蹴るなどの暴行をはたらいた挙句、自分のアジトに連行。
逃げられないように縛って閉じ込め、また殴る蹴るなどして、男性にとってかなり重要な下半身の一部を切り落とすぞ、などと脅迫。さらに、許してほしければたくさんのお金を献上せよ、さもなくば貴様と同居してた同僚ホストや親兄弟も同じ目に合わせるぞ、などと恐喝した。
・・・恐怖の監禁ショーからリリースされたホストマンは、生命の危険を感じて警察に直行。んで、拳王様はついに逮捕されてしまいましたとさ。
以上『世紀末覇王伝説』より抜粋でした。

・・・うん。
とっても恐ろしい。
谷村裁判長が、きもち小さめな声で罪状の認否を問いただす。
谷村裁判長「被告人、いま読み上げられた内容に、間違いはありませんか?」
拳王様「間違いないし、全部認めるって言ってるんだから、はやく終わらせてくれや!」

ヒエーーーーーーーーーーーーッ、タスケテーーーーーーーーーーーーーーー!!
このひと怖い!怖すぎるYO!
これだけの事やっといて、まったく悪びれる様子なし。
谷村裁判長「弁護人、よろしいですか」
弁護人「いいです」
・・・コント!?
笑っちゃいそうだけど、笑ったら消されてしまうから心頭滅却だ。
谷村裁判長「それでは被告人は前へ」
拳王様が、立ちあがり、証言台へと向う。
そりゃもう恐ろしいくらいにガンを飛ばしている。
谷村さん、こころなしか目をそらし気味。
そりゃそうだ。裁判長だって怖いものは怖い。
でもがんばれ谷村。
谷村裁判長「あなたがやったことは、非常に悪質な犯罪行為です。反省している様子もありませんが、罪を自覚していますか」
拳王様「悪質なことをするのが極道なんだから仕方がない
谷村裁判長「・・・」
名言でたーーーーーッ!
ビコーズ・アイ・アム・GOKUDOU!
・・・これ以上ないくらいシンプルな理由だ。
谷村裁判長「反省していないということですね」
拳王様「なにを反省するのか分からない」
谷村裁判長「なるほど」
・・・なるほど、て言うた。言われっぱなしかよ。
まあ、でも他に言うことないわな。

そんな拳王様の雄姿を、傍聴席の部下たちが尊敬の眼差しで見守っている。
・・・あっ。そうか。
普通はここで、すんません反省していますもう二度とやりません、って情状酌量に訴えるところなんだけど。
こんなにもギャラリーがいたんじゃあ、拳王様としてもカッコ悪いところは見せられないわな。
自らの量刑が決まる状況ですら、漢(おとこ)を示さなきゃならないとは・・・道を極めるお仕事もタイヘンなんだなあ。
だけど。
悪いことは悪い!
罪は罪として、きっちりと贖ってもらわなくてはなりません。
ですよね?・・・みなさん。

というわけで、被告人側のバッチコイ的な受け入れ万全態勢によって、今回の裁判はものすごくスピーディだった。
しかし、この短い時間が、ボクにはとんでもなく長く感じられた。
自分が傍聴席の椅子と同じ材質で出来ているかのように。
最初からそこにあったなにかの物体であるかのように。
存在感を極限まで薄める作業。
それはある意味、色即是空の境地だ。
醒めているのに集中している・・・きっとあのときのボクは“悟り”に近い状態だったはず。
そのかわり3日くらい寿命が縮んでしまった。  [↑]

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第5の傍聴 その1 「禁断の楽園、ギャングスタ・パラダイス」2007年03月19日
これまで全く裁判と縁がない人生を過ごしてきた“ぜんぜん法律に詳しくない映画宣伝マン"が裁判を傍聴する映画宣伝マンブログ!大好評連載中です!!
雨の東京地裁。
ただでさえ地味な建物なのに、さらに憂鬱な雰囲気だ。
中に入って、公判予定表をチェキ!
うおッ。
暴行 傷害 住居不法侵入 拉致 監禁 恐喝
って、アンタ。
犯罪のフルコースじゃないですか!
これが犯罪の万漢全席やあ?。
おいおい。ちょっとまった。
ここは日本ですよ。
ゴッサムシティじゃありません。
蝙蝠男や蜘蛛男は助けてくれません。
しかも記載されている被告人の名前はたったひとり。
一体どんな人なのよ?これ全部ひとりでやっちゃった、とんでもないクリミナル・ガイは。
興味シンシンで法廷にフェード・イーーーーーン!!!
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・・・まだ被告人は登場してない。
傍聴席、結構混んでるな。
ヤローばっかで室温が高いぞ。
しかしなんだか。
場の雰囲気がミョーにピリピリしてない?
どうも殺気立ってるような。
なんなんだろう、この異様な緊張感。
そこに、被告人が登場。
ウワーーーーーーーーッ!
でたーーーーーーーーーーーーーーッツ!!!!!!

そりゃもう見るからに完璧な。
誰の目にも明らかな。
見まがうことなき。
ヒー・イズ・ア、 マスター・オブ・ザ・ロード!!
道を極めている人だ。
道という道を極めに極めつくしている人だ。
全身に禍々しいオーラをまとっている。
超怖い。
冗談抜きに超怖い。
見た目からして完全に怖い。
拳王様・・・?
髪型もゴワゴワと総毛立っていてなんか固そう・・・これが怒髪天なのか?
そして、 マユゲがねえーーーーーッ!

よくよく見ると、傍聴席のギャラリーたちもコワモテ揃い。
前の席のオッサン、スーツの肩パットめっさデカいし!
ん?
あのう、すみませんが、襟元から何かの紋様がはみ出しておりますよ。
消えない絵の具で皮膚に直接描いたっぽい、何かの角?的な絵がはみ出しておりますよ。
・・・なるほど。
あなたがピクチャーマンでしたか。

ボクは自分の置かれた状況にいまさら気がついた。
前略 お父さん、お母さん。
ボクはいま、絵人間の群れに囲まれています。

次回へ続く!  [↑]

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第4の傍聴 その2 「無気力プリズナーにラグビーを」2007年01月08日
これまで全く裁判と縁がない人生を過ごしてきた“ぜんぜん法律に詳しくない映画宣伝マン"が裁判を傍聴する映画宣伝マンブログ!大好評連載中です!!
被告側の弁護人はおじいちゃんだ。
いや、被告人の血縁ではない。
見た目が、ね。
アレなんです。
思いっきり、おじいちゃんなんです。
かなり歳いってるように見えるけど、弁護士って定年ないのかな?
被告人のリアクションが薄口すぎてまったく面白くないので、どうしてもおじいちゃんの挙動に目がいってしまう。

おじいちゃんはメガネくんが喋ってるあいだじゅう、ずっと瞑想をしていた。
メディテーション IN COURT
ピクリとも動かない。
これが涅槃なのか?カート・コバーンも真っ青なのか?
動かざること山の如し。
静かなること林の如し。
…あのう、生きてますか??
おじいちゃん、もうそろそろ起きてくださいよ。
いま何時だと思ってるんですか?
朝ごはん冷めちゃってますよ。
BOW★CHING終わっちゃいましたよ。
・・・あ、起きた。
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さあ今度はおじいちゃんの番だぜ!
被告人質問スタートだ!
被告人がダルそうに証言台へ向かう。
コイツ、ほんとサービス精神ゼロだな。
おじいちゃん!
侵略すること火の如し、いぶし銀の名弁護を見せてくれ!
そしてこの、さむーい雰囲気を吹き飛ばしてくれ!
この場にいるのがツライんだからさ。たのむよぉ。

おじいちゃん「アータねえ、お父さんお母さんはいないんだねえ」
えっ……みのさん?
奥さんアータねえ、ってカンジの“みのさん風トーク”で被告人に語りかける。
ただし効果のほどは定かじゃない。
おじいちゃん「アータねえ、無賃乗車なんかしちゃダメでしょ」
・・・そのとおり。というか、そのまますぎる。
お父さんお母さんがいないってマエフリはどうなったのよ、おじいちゃん?
ねえ、忘れちゃったの?
おじいちゃん「アータねえ、なんでお金ないのにタクシー乗ったのよ?」
被告人「理由はありません」
おじいちゃん「アータねえ、東京に何しに行ったの?」
被告人「…ちょっと出かけたくて」
…だったら電車を使え!
おじいちゃん「アータねえ、反省してるんだよね」
…いやいや。明らかに反省してないっすよ、コイツ。
受け答えも終始ダルそうだし。
むしろ思いっきり態度悪い。
おじいちゃん「アータねえ、もうやらないでしょ」
被告人「…(無言)」
おじいちゃん「やらないんでしょ」
被告人「はあ…」

はあ…、

じゃねえ!
ボクはもう、あたまにキタ!
このやろー、こっちはオマエ以上にダルいんだよ!
ユル〜い裁判見せやがってからに!
帰りたくても帰れないんだよ、こっちは!
ちょっとくらい盛り上げてみせろ!
空気を読め!!

* * *
メガネくんが被告人に質問する。
いけメガネくん!
アグレッシブに攻めろメガネくん!
オフェーンス、オフェーーンス!
メガネくん「あなたは無賃乗車で2回捕まってるでしょ。刑務所にも入って。それで、出所して3日でなんでまた無賃乗車するんですか?」
…ホント、なんで?
被告人「理由はありません」
メガネくん「また刑務所に行くことになる、と思わなかったんですか?」
被告人「思いました」
メガネくん「じゃあ、なんでやったの?」
被告人「理由はありません」
…押し問答だ。
質問と答えがループしだした。

そこで、Mrクールガイが一言。
キタぞ!
ビシっと言うてやってくださいよ、クールガイ!ビシッと!
クールガイ「無賃乗車の罪を軽く思ってませんか?人に迷惑をかけているんですよッ!」
うっ…すいません。軽く思ってました。
被告人「はあ」
ボクが怒られたみたいなカンジになってるというのに、コイツは反省する様子が全くない。
クールガイ「反省していないなら、また刑務所に行ってもらいますよ」
…よく言ってくれました。
もうゴー・トウ・ジェイルしかないすよ、コイツは。
被告人「はあ」
…ここまで言われて反省ゼロ。
なんなのコイツ?
クールガイ「刑務所に入ることはあなたにとってツライことではないんですか?」
被告人「別に」
さすがのクールガイもあきれて口を閉ざす。
別に!?
刑務所だよ?
また刑務所送りが確定したっぽいのに!?
別に!?
別に、でいいのか、コイツ?


…そっか。
わかった。
コイツ、Mだ。
ドMだ。
これはプレイだ。
コイツは捕まって刑務所に入るのがダイスキなんだ。
もうそのプレイに病みつきなんだ。
だからわざとやって捕まる。
ダメだ、メガネくん!
それじゃダメなんだ!
刑務所に送っても逆効果。コイツを喜ばせるだけだ。
だってうれしいんだから。刑務所に行くのが。
Mにムチだ。
犯罪者を喜ばせてどーするよ!
メガネくん、コイツには別の罰が必要なんだよ。
例えば…
強制的にスポーツでもやらせてみるとか。

突然ボクは思い出した。
この被告人、どことなくイソップに似ていたんだ。

かつて『スクール・ウォーズ』という名ドラマがあった。
荒廃しきった不良たちの巣窟と化した川浜高校。
そこに元オールジャパンのラグビー選手・滝沢堅治こと“泣き虫先生”が赴任してきた。
(*山下真司さん超熱演)
滝沢先生はラグビーを通じて不良生徒達を立ち直らせ、やがて川浜高校ラグビー部を全国優勝にまで導いた。
めちゃめちゃ病弱なキョジャッキー生徒・イソップは、ただでさえ短いその命を大好きなラグビーで燃やしつくしたナイス・ガイだ。ナイス・キョジャク・ガイだ。

…きっと、この被告人にも魂を燃やしつくせる何かが必要なんだ。
(あ。この言い方、ちょっとソリマチっぽい)
滝沢先生のように導いてくれる人や、そしてなにより、同じ目標をもって共に歩む仲間がいれば、きっとこんなに無気力ではいられないはずだ。
いま彼には何もないから、生きるのが楽しくない。
きっと彼にとっては、外の世界で汗水たらしてがんばるよりも、カベに守られている刑務所の中が居心地いいんだ…でもそんなの虚しすぎるだろ!

オンリーワンの傍聴人から一言いいすか?
裁判長、彼にラグビーをやらせましょう。  [↑]

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第4の傍聴 その1 「無気力プリズナーにラグビーを」2006年12月30日
これまで全く裁判と縁がない人生を過ごしてきた“ぜんぜん法律に詳しくない映画宣伝マン"が裁判を傍聴する映画宣伝マンブログ!大好評連載中です!!

最初に言っておきますが、今回傍聴した公判は全く盛り上がらなかったです。
本当なら傍聴日記に書くほどの内容でもないのです。
しかし。
これもまた、裁判。

仕事の合間に立ち寄った東京地裁。
公判予定表を見る。
今日の裁判、少なくない?前に来たときより全然少ない。
曜日によって違ったりするのかな?
時間が合う新件はたったひとつだけ。
詐欺事件と書いてある。
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法廷の中に入ると、誰もいなかった。
もしかして入っちゃダメな回だったか?
ちょっと不安。
しかし無人の法廷は奇妙なまでに静かだなあ。
あ。
これってチャンスかも。
せっかくだから、ホンモノの証言台に立ってみようか。
せっかくだから、エアギターのひとつもプレイしてみるか。
傍聴席からの入口扉は『それボク』撮影用のセットで見たのと同じつくりだ。
よっしゃ、行くぞ。
はじめての証言台にフェード・イーーーーーーーンッ!
と、そこに裁判所の方(たぶん事務官)が現れた。
いえいえ。
どんな素材でできているのかなあ、ってちょっと触ってみただけですよ。
うん。なかなかいい木を使っていますね。
いやあ、さすがだ。
…チッ。


* * *
そうこうしているうちに被告人が登場した。
なんだか元気がないヤツだ。
生のオーラを放ってない。
まあ元気マンマンなワケはないか。
でもジーッとうつむいていて何を考えてるのか分からない。
ネクラ?
たぶん友達にはなれないタイプだ。

続けて検察官が入ってきた。
おッ。
メガネくん。
ひさしぶり。元気だった?
・・・と心の中であいさつ。
裁判官が入ってきた。
おッ。
これはこれはMrクールガイ。
最近どうですか?いいカンジに裁いてますか?
・・・と心の中であいさつ。
顔見知り(一方的に)の二人が揃ったので微妙に嬉しくなる。

しかし傍聴人が誰も入って来ないなあ…。
と、思っているうちに裁判が始まってしまったよ。
オーディエンス、ボクONLY!?
これは責任重大だぞ!
・・・聞いてるだけなんだけど。
それでも、がんばれボク!
このミョ?な緊張感に耐え忍べ、ボク!
あ、クシャミが出そう・・・いやダメだ我慢しろ、ボク!
そんなことをしたら大注目をあびてしまうぞ。

と、そこに、ひとりのおじさんが傍聴席に入ってきた。
・・・よく来てくれました。
あなたに会えてうれしいです。
本当はひとりぼっちで心細かったんです。


* * *
メガネくんの相変わらず早口なBOW★CHINGがはじまった。
今回の事件はタクシーの無賃乗車だ。
神奈川県から東京へ2万円。
運転手さんに怒られて、暴れるでもなくすんなり警察署に突き出されてアウト。
聞けばこの男、無賃乗車の常習犯。
前科2犯。ぜーんぶタクシー無賃乗車。
ちなみに今回捕まる3日前まで、無賃乗車の罪(これって詐欺罪なの?)で刑務所に入っていた。
…ていうか、なぜ乗る!?

うーん…。
それにしても、なんだかしょうもないなあ。
いやしかし!
犯罪は犯罪だ。
きっちりと裁いてもらわなくては。
ムリヤリでも気分を盛り上げていくぞ!
『連続タクシー無賃乗車事件発生!!犯人は誰だッ!なにが目的なんだッ!?』
犯人はコイツ。
目的はとくにナシ。
うーん…。
やっぱり盛り上がりに欠ける。
しかしこの被告人、ダラけた態度でちょっとムカツクかんじだな。

と、そのとき!

傍聴アミーゴのおじさんがチラッとこちらを見た。
え。
うそでしょ。
そんな…まさか…。

おじさん「悪いね。おじさんはもう無理だ。あとのことは頼んだよ」

と、目でボクに訴えかけて、さっさとひとりで退場しやがった。
NOOOOOOOO!
カンバック…おじさんカンバーーーーック!

もはや法廷から出るに出られなくなってしまった。
ノー・ウェイ・アウト。
最後までいるしかないじゃん。
もともと特別なオンリーワン。
傍聴席でもオンリーワン。
裁判長、トイレに行くフリして帰ってもいいでしょうか?
いやいや、ダメだろ。
だってボクはこの裁判のたったひとりの見届人なんだ。
THIS IS MY COURT!
これは責任重大だぞ!
がんばれボク!
・・・聞いてるだけなんだけど。

次回へ続く!  [↑]

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第3の傍聴「痴漢」2006年12月23日
これまで全く裁判と縁がない人生を過ごしてきた“ぜんぜん法律に詳しくない映画宣伝マン"が裁判を傍聴する映画宣伝マンブログ!大好評連載中です!!

チカンって英語でなんて言うか。
みなさん、ご存知ですか?

…ボクはもちろん知りません。

デイリーコンサイス和英辞典より。

A sexual molester

そしてスラングで
A wolf

あるいは
Pervert 
(変質者)なんてひとくくりにして言うらしい。

…痴漢したヤツに「あいつ、ウルフだぜ」なんて、ちょっとカッコよすぎないか!?
甘い!ぬるい!英語はチカンに甘すぎる!!
これじゃイカン!
セクシャル・モールスターなんてロックバンドみたいな名前で呼んでちゃダメだ!
千代の富士にも無礼極まる。
もっと恥ずかしい名前で呼べ!

その点、日本はちゃんとしてる。
この名で呼ばれたら、もはや日の当たる道を歩けやしない。
痴漢。
岩波国語辞典より。
1. ばか者。
2. 女にみだらないたずらをしかける男。
つまり、女にみだらないたずらをしかけるバカ者。
そのとおり!
マエフリが長くなったけど、今回の傍聴は痴漢事件の裁判です。
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* * *
今回の被告人は、見た目50歳くらいのカッパ系ビジュアル。
水木しげるのマンガに出てくるヤセ・メガネ・出っ歯オトコにそっくり。
ヘアスタイルは、9:1の割合で右側に髪を寄せたセミロング。
…キモい。とってもキモい。冗談抜きでホントにキモい。
木村拓哉さん以外はこの髪型をしてはいけない、の見本のようにキモい。

罪状は強制わいせつ。
映画『それボク』でも言っていた。
パンツのうえから触ったら、迷惑防止条例違反。
パンツの中から触ったら、強制わいせつ。

…ということは、このオッサン、パンツの中から触ったのか!?
このオッサン(以下しげる)は痴漢。
初めて生で痴漢を見たけど、自分でも不思議なくらい怒りが湧いてくる。
許せない、コイツ。

そして冒頭陳述を聞いた全員が、しげるに怒りの感情を抱いた。
こんな一体感は初めてだ。

BOW★CHINGの内容はこうだ。
満員電車の中で、しげると被害者の女性が向かい合って乗ってしていた。
密着しているのをいいことに、しげるは女性の股間をスカートの上から触って辱めた。
そして女性が何も言わないのをいいことに、調子に乗ったしげるは、パンツの中にまで手を入れて、陰部を揉むなどした。
そこで被害者が勇気をふりしぼって(*ボク主観)「やめてください」と小さく声に出した。
しげるは、ビビって「すいません」と言ってやめた。
電車を降りたところで、被害者の女性に「一緒に警察に行ってください」と言われて同行。


* * *
しげるが証言台に立ち、弁護人から被告人への質問が始まった。
しげるは起訴内容を全面的に認めている。

その日、しげるはハローワークに行く途中だったそうだ。
無職だったが、まじめに働こうとしていたのだという。
…断言するが、まじめに職探しをしてるヤツが痴漢なんか絶対にしない!

しげるいわく、電車が揺れて、手が女性の股間に偶然当たってしまった。
事件は偶然起こったのであって、計画性はなかったと強調する弁護人。
しげる「何も言わなかったから、いいのかと思ってエスカレートしました」
…このオッサン、いけしゃーしゃーと。
いいのかと思った?いいワケないだろがッ!

被害者は中学生なんだぞ。
見知らぬオッサンに痴漢されて、怖さのあまり涙した。
そして事件の後、怖くて電車に乗れなくなった。
お母さんが車で送り迎えして通学してるんだ。
もう許せん。
同じオトコとして絶対許せん。
ボクがコイツをしばいたる!グーで思いっきり。
傍聴人のボクですら怒り心頭なのだから、被害者やその家族の心境は計り知れない。
そして被害者が受けた心の傷は…。

検察官からの被告人質問。
どんな質問にも、しげるは一貫して平謝り。
「痴漢行為は初めてで、自分でもなぜあんなことをしたのか…本当に被害者の方には申し訳ありません」
と念仏のように唱え続けた。
面と向かい合った相手に痴漢するなんて、初めてにしては大胆すぎないか?

しげるには前科があった。
前科2犯、いずれも電車内のスリ行為で現行犯逮捕されている。
…オマエはもう二度と電車に乗るな!
裁判長、「いかなる事情があっても二度と電車に乗ってはならない」刑を追加してください。

しげるは最終陳述で、「被害者の方には申し訳ないことをしました」と涙を流した。
その涙がどうにも芝居くさくて、また怒りが沸いてきた。
謝るくらいなら最初からするな!

痴漢は最低最悪の卑劣な犯罪です。
裁判を傍聴して、さらにその思いを深めました。  [↑]

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